9月1日の防災の日に向け、官民連携のテクノロジー活用で情報の迅速性・正確性を向上
クラウド録画サービスシェアNo.1(※1)のセーフィー株式会社(東京都品川区:代表取締役社長CEO 佐渡島 隆平、以下「セーフィー」)は、キヤノンシステムアンドサポート株式会社(東京都港区:代表取締役社長 平賀 剛、以下「キヤノンS&S」)と連携し、開発・運営するクラウド録画カメラを北海道の石狩消防署が導入したことをお知らせいたします。この導入により、災害現場における消火活動のための情報伝達並びに的確な活動方針決定をスムーズに行えるようになりました。
導入の背景
1923年9月1日に起きた関東大震災から101年が経過した今も、日本全国では数多くの災害が発生しています。2011年3月の東日本大震災、2016年の熊本地震に続き、令和6年1月には能登半島地震が発生し、現在も復旧・復興作業が続いています。
災害時、被害状況を把握し、的確な意思決定や判断を下すためには、現場の正確かつ迅速な情報共有が不可欠です。デジタル庁では、デジタル技術を用いて災害対応の高度化を図るため、自治体でも活用できる「防災DXサービス・マップカタログ」を整理・運用したり、「防災DX官民共創協議会」を設立(※2)したりと、防災分野における官民連携の取り組みを推進しています。セーフィーは、これまで自治体や公共事業における防災分野のDXを推進(※3)しており、この協議会にも加盟しています。
導入の概要
今回、石狩消防署の厚田支署では、所有する消防車両の屋根上に「VisualStage Type-S」を1台設置しています。これまでは主に無線を連絡手段として活用していましたが、現場状況の充分な情報を取得するために何度も無線の往復をしたり、ハンズフリーでない状態だったりしたため、迅速な消火活動との両立が難しい状況でした。クラウドカメラを車両の屋根上に設置することで、遠方にある消防本部の指令室や指揮車からも現場の状況を捉えた映像データを取得できるため、現場と後方支援間の伝達労力の削減が可能となります。
実際に、石狩消防署から到着まで40分かかる現場で広範囲な火災が発生した際、本署の待機職員により、現場へ先に到着していた厚田支署消防車両のクラウドカメラの映像を通じて、現場隊員の死角における火災の延焼危険を発見し、伝達することで、被害の拡大を最小限に抑えることができました。また、後続支援部隊は現場状況やリアルタイムでの先着隊の活動状況を踏まえて、到着後、効率よく消火活動に取り組むことができました。
また、クラウドに保存された映像データにより、いつでも内容を確認することができるため、活動検証の向上を目的とした消火活動の振り返りに役立てています。ベテラン職員の知識・経験の共有が課題となってくる中、他の支署の職員ともデータを共有し全体的な活動の質の底上げを検討しています。
(※1)テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)
(※2)デジタル庁:デジタル庁における防災DXの取組(2024年6月4日発表)
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/f7339476-4afc-42d8-a574-a06bb8843fb5/e7842b9c/20240604_policies_disaster_prevention_outline_01.pdf
(※3)プレスリリース「「八千代市消防本部がウェアラブルクラウドカメラを本格導入し、防災DXを推進」(2023年3月6日発表):https://safie.co.jp/news/2326/
「セーフィー、新潟県村上市の防災訓練にてウェアラブルクラウドカメラを供給支援」(2023年10月12日発表):https://safie.co.jp/news/2842/
石狩消防署警防課車両装備担当主査 消防司令補 小野寺 智史さまコメント
セーフィーを導入する以前、ドライブレコーダーのようにカメラを車載して現場状況を把握するというアイデアは考えていましたが、遠くにある火災現場の状況をより迅速かつ鮮明に確認するためには、車両の屋根上に遠隔操作可能なカメラを設置する方が良いと判断しました。実際に、車両の屋根上に設置したことにより、現場に向かう途中でも遠方の火災状況を煙の状況から、その規模を予測することができました。
今後は、車両にカメラを設置するだけでなく、隊員自らがウェアラブルカメラを防火服に装着することで、消火活動自体の状況をリアルタイムに共有し、迅速かつ正確な判断や緊急退避などの安全管理を行える体制の構築を検討しています。