解析プラットフォームにてEAGLYSの高精度・超高速のAI解析技術を採用

 クラウド録画サービスシェアNo.1(※1)のセーフィー株式会社(東京都品川区:代表取締役社長CEO 佐渡島 隆平、以下「セーフィー」)は、株式会社エー・ピーホールディングス(東京都豊島区:代表取締役 社長執行役員 CEO 米山 久、以下「エー・ピーホールディングス」)の協力のもと、飲食店での省人化に寄与すべく「宮崎県日南市 塚田農場 水戸駅北口店」で実証実験を実施しました。本日はその実証実験の結果を発表いたします。また、セーフィーの解析プラットフォームにおいて、EAGLYS株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 今林 広樹、以下「EAGLYS」)の高精度・超高速のAI解析技術を採用しています。

実証実験の背景

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等が解除され、徐々にアフターコロナの波が訪れる中、一時は昨今のコロナ禍において休業や営業時間短縮を行った飲食店では、営業再開後の人手不足の割合も上昇(※2)しています。今後は、十分な働き手を確保できていないことで、サービス提供時に接客を従来通り行えないという悩みも発生している状況です。

 

 これまで飲食店でのオペレーション改善に寄与してきたセーフィーは、国内外に200店舗以上の飲食店を展開しているエー・ピーホールディングスの「宮崎県日南市 塚田農場 水戸駅北口店」にて、料理の品質チェックの省人化と料理そのものの品質向上を実現するための実証実験を実施しました。エー・ピーホールディングスでは各地の生産者と直結した「高品質・高鮮度・低価格」な食材を店舗にて提供することを心がけています。一方、同店では、混雑時でも提供する料理の品質をスタッフの目視で確認していました。今回、EAGLYSが提供するAI画像解析システムで代替することで、スタッフがより高いサービス提供に注力できると考えました。

実証実験の概要

・実施場所:「宮崎県日南市 塚田農場 水戸駅北口店」

・実施日時:2022年5月16日~5月31日(計15日間)

・実施手段:「AXIS M2025-LE」(2台)、「VIVOTEK FD9166-HN」(3台)、EAGLYSのAI画像解析システム

・実施目的:混雑時においても料理の品質を高く保ちたい

実証実験の結果

【1】料理の提供フローにおける状況を可視化、改善ポイントを把握
・取り組み:Safieのカメラをデシャップ台(※3)と店内フロア、入り口付近に設置
・結果:
これまでは、通常時・混雑時を含むオペレーションの全容が可視化されておらず、エリア責任者が都度の臨店で現場状況を把握、もしくは、店長が終業後に写真で報告する状態でした。Safieのカメラ設置により、映像を「第三の目」として全容可視化、振り返りに活用することで、料理の品質管理における課題(混雑時の人員配置やオペレーション内容)、改善すべきポイントを具体的に把握することができました。

 

 

【2】提供フローの状況を遠隔からリアルタイムに確認・指示出しが可能に
・取り組み:詳細確認が必要な箇所があれば、スクリーンショット(※4)を受け取り指示出し
・結果:
これまでエリア責任者は月3回の臨店業務のため1回につき約3時間の移動時間をかけ現場を回っていたが、Safieのカメラを活用することで現地に行かずとも店舗内の従業員とリアルタイムに円滑なコミュニケ―ションを実現でき、月1回に減少しました。約6時間の移動コストや人件費の削減にもつながるだけでなく、映像から事前の状況把握が可能となったため業務改善のフィードバックや従業員の教育時間に充てることができました。

 

 

【3】混雑時における料理の提供状況や盛り付け方を「第三の目」で把握
・取り組み:店内に設置したデシャップ台のカメラの映像をEAGLYSのAI画像解析システムで解析
・結果:
料理が写ったタイミングをフラグ立てで把握できるようになり、録画映像を確認する作業時間が1日あたり2時間から40分に軽減しました。料理の鮮度を踏まえ価値ある状態のまま提供を行う等、飲食店で最も重要な料理の品質向上に集中することができ、調理の際の工数削減の助言も行えるようになりました。

 

セーフィーが提唱する「現場DX」のロードマップ

 

 セーフィーでは図の5つのステップを提唱しています。防犯などの目的で導入済みのカメラをクラウドカメラに置き換えることで、現場の「見える化」から「データ活用」までの全体像を描いています。今回の取り組みでは、STEP1、STEP2、STEP4を実現しています。

 

(※1)テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(47.5%)
(※2)帝国データバンク:人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220509.pdf
(※3)飲食店のキッチンとホールの間にある、厨房で調理された料理が上がってくる場所
(※4)コンピューターの画面に表示されている内容を画像ファイルとして保存したもの

宮崎県日南市 塚田農場 水戸駅北口店 料理長 小林 潤さまコメント

 これまでは、お客様の入店が重なったときの料理の品質管理を改善すべきと考えていたため、その際にオペレーションで改善できるポイントがないかを把握すべく、店内にカメラを設置するところからスタートしました。料理長不在の現場を遠隔で確認・指示出しできることで、オペレーションのカリキュラムの見直しに取り組めました。

 

 今後は、現状月1、2回の臨店業務、もしくは電話で直接やり取りをしている関東エリア以外で運営している店舗にもセーフィーのカメラを設置することによって、スタッフの日々の業務進捗を把握・タスク量の調整を行うことができると期待しています。映像データを活用することで、接客の振り返りによるスタッフの接客指導を客観的に行えるため、お客様にご満足いただけるようなより手厚い接客を提供できると考えています。

 

セーフィーの解析プラットフォームと今後の展開

 今回、セーフィーが提供する解析プラットフォームにてEAGLYSの高精度・超高速のAI画像解析技術を採用し、映像✕AI技術を「第三の目」として活用することで、人手を介さずに料理の盛りつけ状況や調理後の経過時間を瞬時に把握、料理の品質を保つ取り組みを実施できました。

 今後とも、より多くの飲食業全体の労働力減少に対応すべく、各店舗でのサービス向上やオペレーション改善を支援していけるよう、各開発パートナーとの新たなソリューション提案とサービスの高精度化を目指してまいります。