セーフィーは、2024年1月30日に現場全景を隅々まで360°死角なく確認ができる「Safie GO 360(セーフィー ゴー サンビャクロクジュウ)」をリリースしました。リリースを記念し、同日に新製品発表会を実施。「Safie GO(セーフィー ゴー)」シリーズの新たなモデルとして現場に行かずとも業務をより可能とする機能を兼ね揃えた「Safie GO 360」の紹介だけでなく、セーフィーが実現していきたい建設業界のビジョンムービーや大手ハウスメーカーのアイダ設計様と大手ゼネコンの清水建設様2社のご担当者をゲストとして招いたパネルディスカッションなど、盛りだくさんのコンテンツをお届けしました。今回は、当日の様子をレポートします。

 

建設業の変革に対応するセーフィーのトータルソリューション

 第1部では、セーフィーの会社やサービス紹介、建設業が今向き合う課題とセーフィーが課題に対しどのようなソリューションを提供しているのかについて、オリジナルムービーを交え、第2ビジネスユニット 部長 渡部よりご紹介いたしました。

 

セーフィー株式会社 営業本部 第2ビジネスユニット部長 渡部 郁巴

 

 渡部の話の中では、現在、建設業が直面している3つの「不」と、それに対するセーフィーのトータルソリューションについて紹介。2025年開催の大阪万博の開催やリニア新幹線の工事が進むなど業界の需要は着実に拡大していますが、今年2024年より「働き方改革法案」が施行され、長時間労働を是正する必要があります。

 

 各社対応を進めなければならない状態の中、それを実現していくため、セーフィーは包括的なソリューションを提供していきます。既に多くの企業で導入いただいている「Safie GO」やウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket」シリーズなどのハードウェア製品だけでなく、BIM/CIMクラウドや点群データ生成アプリケーションなどのソフトウェアの活用も含め、映像データを基盤としたデジタルツインの構築を目指しています。これにより、人々のスムーズな意思決定を支援し、未来の建設業界に貢献していきたいと考えています。

 

 将来、セーフィーが建設業界で実現していきたいビジョンを具体的に表現したムービーもご紹介。建設現場を舞台に、様々な種類のカメラを設置し、現場の状況を網羅的に映像で取得、デジタルツインを構築していく未来像を描いています。実は、このムービーでは、新卒からベテランまでの社員がキャストとして出演しており、まるで現場のスタッフのようなリアルな演技を披露しています。お時間がある際にぜひご覧ください!

360°死角なし!現場を撮り逃さない「Safie GO 360」の紹介

 

 セーフィーは、2017年12月より屋外向けのクラウド録画型カメラ「Safie GO」シリーズの提供を開始しました。このシリーズは、初号機としてプロダクトアウトした据え置き型のクラウドネットワークカメラ「CC-1」をもとにしており、建設現場のお客様がポケットWi-Fiと組み合わせてプラスチックの箱に入れて使用されていたことがきっかけで開発がスタートしました。正式に商品化後、建設現場からたくさんの注文が入り出荷されていくことで、クラウドカメラへの強いニーズと確かな手応えを感じていきました。 

 

 屋外でも活用できる「Safie GO」シリーズの優れた特徴は大きく3つです。まず「電源にさすだけですぐ使える」使い勝手の良さが挙げられます。また、屋外利用に必須である「IP66の防水・防塵性能」を備えております。さらに、持ち運びや輸送が容易な「コンパクトなボディ」を採用しています。これらの特徴を活かし、きれいな映像で遠隔から現場を確認できるため、労働時間の削減や安全・衛生管理の整備に役立っています。

 

 その後もお客様の抱える様々な現場課題を解決するために、試行錯誤を繰り返してシリーズの企画・開発を継続しています。180°の広角レンズと音声マイクを搭載した「Safie GO 180(セーフィー ゴー ワンエイティ)」では、現場全体を俯瞰して確認することや、タイムラプス機能を活用してダイジェスト動画として保存することも可能です。また、遠隔で画角を変更し、光学ズームで確認したい箇所をピンポイントに把握できる「Safie GO PTZ(セーフィー ゴー ピーティーゼット)」では、広大な現場を網羅的に把握することができます。一昨年、設立以前から64年にわたるカメラ開発の知見・経験を持つ国内発のメーカーi-PRO(アイプロ)社と共同で開発した「Safie GO PTZ Plus(セーフィー ゴー ピーティーゼット プラス)」には、GPS機能が搭載されており、複数のカメラを設置している場合でも、その位置を自動取得し、地図上でどこに設置されているかを一目で把握できます。

 

セーフィー株式会社 企画本部 IoTソリューション部 プロダクトグループ 中田 恵吾

 

 そして、建設業界をはじめ現場を持つ企業で待望だった現場全体360°死角なくまるっと確認できる「Safie GO 360」を2024年2月より提供開始しました。このカメラは、全重量3.95kgで持ち運びや設置もしやすく、LTEを内蔵しているため別途インターネット回線が不要で手軽に活用できます。特に、360°全体を見渡せる魚眼レンズを活用する上で、映像の歪みを最小限に抑えるため、デワープ機能を搭載するという開発が進められました。お客様の現場で何度も実証実験を重ね、セーフィーがサービスを提供する上でこだわり続けている映像の見やすさや使いやすさのUIUXが磨き続けられました。結果、「Safie GO 360」の機能で喜ばれるポイントの1つとして、映像の歪みなく現場状況の正確な把握が可能になりました。(映像の見やすさやUIを実現するため、プロダクト企画・開発メンバーもセーフィー入社以来、最大級に頭を使ったそうです。)また、ダッシュボード機能を活用することで、1台の「Safie GO 360」の映像を複数の画面で表示し、各々が見たい箇所を拡大表示することで、一目で現場状況を確認することができます。

 

 それ以外にも、従来の「Safie GO」シリーズと同じく、撮影した映像や会話はクラウドに過去30日間保存されるため、その期間中であればいつでも見返せます。また、カメラ本体にもクラウド録画データを80時間分ダウンロードできるため、過去の映像を見比べながらの現場作業も可能です。さらに、映像撮影中にはスナップショットも撮影できるため、重要な場面を画像として残すことも可能です。IP66の防水・防塵性を担保するなど、屋外の建設や製造現場で難なく使用できるスペックを備えています。

 

 今回の発表会では、企画本部IoTソリューション部 プロダクトグループの中田より、これら様々な特徴を持つ「Safie GO 360」のユースケースや利点について、実際の現場に設置されたカメラの動画をもとにご紹介しました。まるで現場にいるような感覚を体験することができ、現場訪問の回数や現場の確認時間の削減、安全管理や業務効率化に貢献する旨をお話しました。

アナログ規制の緩和により、クラウドカメラ活用に追い風

 最後に、今回のメインコンテンツである、株式会社アイダ設計 建設本部 部長 堀江 久幸氏、清水建設株式会社 建築総本部 生産技術本部 生産技術開発センター デジタルマネジメントグループ 主査 大垣 博氏と土木東京都支店 千葉土木営業所 外環京葉Gランプ作業所 工務主任 石﨑 裕大氏の3名をゲストに招き、渡部がモデレーターを努めた「建設業の24年問題と働き方の未来」をテーマとしたパネルディスカッションを実施しました。

 

 当日のパネルディスカッションではメインとして3つのテーマをお話させていただきました。当日の様子を書き起こしにてお伝えさせていただきます。

 

 

渡部:1つ目のテーマは「業界が向き合っている課題と映像による解決方法について」です。

 

堀江「いよいよ今年2024年の4月から適応される時間外労働の上限撤廃が課題ですね。特に弊社の現場監督では職人とのやり取りでも電話が多く長時間そのやり取りになっています。また、現場に進捗確認のため訪問すると作業進捗が想定通りでないことがわかったり、と無駄な作業が発生してきている状態です。そういった中、2024年6月にはデジタル庁を主導としアナログ規制が緩和されることもデジタルツールを活用しながら現場での生産性を上げていくための追い風になると感じています」

 

渡部「堀江さん、有難うございます。現場の課題についてクラウドカメラの映像を活用することでどのように解決できると思いますか」

 

堀江「建築現場では住宅街が多いので、人通り、中には通学路があったりと、近隣の通行人の方への配慮が必要な側面もあるし、いたずらや盗難も発生します。周辺を予防することはなかなか難しいですが、カメラの設置により事故・トラブルが発生した際にも映像記録を残せると思っています。セーフィーの場合は、ダッシュボード機能を活用し16分割ができるため全国の主要な現場を最初に映し出し確認することもできると思います。常に防犯用に確認するというよりも何かあった時に見る形で活用しています」

 

株式会社アイダ設計 建設本部 部長 堀江 久幸氏

 

渡部「有難うございます。清水建設さんはいかがでしょうか」

 

大垣「弊社は2024年問題に対して2年前から取り組んでおり、セーフィーに期待している側面は実は大きいです。『Safie GO』では現場の出入り口付近を確認し、ウェアラブルタイプの『Safie Pocket』では作業員各々の作業を確認する形で利用しています。例えば、超高層ビルの建設では、現地で現場を確認せざるを得ない業務が多々ありますが、セーフィーの設置したカメラを確認することで、今このタイミングに現地に行けば確認ができるというのを把握してから本社や事務所を出て行きタイムロスを無くしています。カメラソリューションを有効に活用することが省人化・省力化、それから人材不足解消に繋がると考えております」

 

渡部「遠隔確認のメリットをお伝えする際に、移動時間を削減できることについても触れている側面は大きいですが、その点についてご意見はありますでしょうか」

 

大垣「現場を闇雲に移動しても無駄な作業が増えてしまうので、きちんとしたタイミングで効率よくですね。現場を巡回して検査をするといった行為の中ではカメラを現場業務で確認をして時間を無駄なく使うという意味では非常に役立っております。当社は『Safie Pocket』シリーズをヘルメットに装着し、職長の作業の目線と必ず一致する映像が得られます。遠隔から品質工程や安全を確認できますので、特に鉄骨を立てる際、当社の職員でも行き来が難しいですが、その現場の映像を事務所にもリアルタイムで共有でき、安全工程のコミュニケーションを始め、職人が上でどういう作業をしているのかについても若手職員に伝えるべく教育効果があると考えております。『Safie Pocket』シリーズには声かけ機能も付いているため、不安全行動や作業指示なども遠隔からできるような取り組みをしております。現場の休みの日に地震などが起きた場合でも、所長は現場の外から自分の現場を確認することができるため、まずは一安心できるという効果も聞いております」

 

渡部「大垣さん、有難うございます。多大にセーフィーのプロダクトを深く理解してくださっているという印象を受けています。既存のプロダクトにひと工夫を加えていらっしゃるかなと思いますが、どのように活用のアイデアを練っていらっしゃるんですか」

 

大垣「私は生産技術本部というところに所属していますが、その本部の中で様々な現場の 課題を出し合い、どのようなツールを使ったら現場の課題解決に繋がるのかを多様なIoTセンサーやソリューションの導入から考えています。成功するものはあれば失敗するものあり、成功したものは全社展開しますし、失敗したものは次に繋げる取り組みをしております」

 

渡部「素晴らしいPDCAサイクルを回していらっしゃるんですね、有難うございます。石﨑さんはいかがでしょうか」

 

石﨑「人手不足以外の点にフォーカスすると、私の方からは技能不足の話をさせていただけれたらと思っています。将来的な人手不足に備えて、今おそらくどの会社でも若手を多数活用しようとしている状態で、現場にも若い人が増えてきています。ただ、熟連の技術者に比べて若手技術者が持っている技能は違うため、技能不足という問題に直面していると思っています。解決方法として、セーフィーのように工事現場を映し続け、その録画映像から熟連技術者の工事の手順を若手作業者の教育に使うといったことを行い、技能伝達の少量化などの使い方もできるのではないかと考えています」

 

渡部「石﨑さん、有難うございます。技能伝承観点での映像活用で新しい境地を提案していただき嬉しいです。実際の現場では若手のメンバーがセーフィーの映像を動画マニュアルのような形で使用した時に作業効率や技能伝承のスピードは上がると思いますか」

 

石﨑「スピードは確実に上がると思います。技能を見える化する上でわかりやすくもあり、伝承する側としても教える労力を削減できます。口頭で色々説明するよりも実際に目で見てもらった方が手順を確認しやすいのは間違いないので、そういった効果も上がっていると思います」

360°の死角ない映像で移動時間削減や情報共有の活性化へ

渡部「有難うございます。おっしゃるとおり、映像の中における情報量は無限ですのでマニュアルや教材などで活用いただく上では非常にいいなと私も考えております。ここからは本題の『Safie GO 360』によって叶えられる課題解決について、ディスカッションしていけたらと思っております。まずは、堀江さんからお願いできますでしょうか」

 

堀江「私たちがこれまで採用していたカメラでは画角が限られてしまっていました。現場に何棟も立ってる場合は各々にカメラを付けていかなければいけなかったり、現場全体を映したい場合はとても遠くから撮る必要がありました。そうすると画質は落ちてしまい『どの作業が終わっていてどの作業員・スタッフが現場にいるか』まではわからず、カメラをたくさん付けなければならないということになります。最初に『Safie GO 360』を現場に付ける前に実機を見せていただき、ものすごいなという第1印象でした。『ここまで見えるのか』というところで非常に衝撃を受け、実際に現場に付けてみたところ、私の目線の高さのポールに付けても上から下まで隅々見え、建物の上と基礎部分が両方見えることに感動しています」

 

渡部「堀江さん、有難うございます。実際に今カメラを設置している現場には我々も行か せていただき、初めて仮説電柱に目線の高さで付けてみて、どういう見え方になるのかを試していただきましたが、堀江さんもおっしゃってる通り、誰でも簡単に設置できるというポイントもいいなと気づかされました。見える範囲が広がると、職人さんたちには嫌がられてしまったり、現場にちゃんと説明しなきゃいけないのかなと思いますが、その点はいかがですか」

 

堀江「施工に関してもそうですが、実は『見られている』という感覚でいてほしいというところがあります。今の現場に設置させていただいて2週間ぐらい経ちますが、映像を見返していくと職人さんが面白がってカメラに写ったり、そういったいたずら的なことをやっていて、皆さん興味があるのかなと。これで『見られているんだろうな』という感覚があるのは効果的だなと思っています」

 

渡部「有難うございます。仕事において緊張感を持つことは非常に大切だと思います。我々が現場に行かせていただいた時にも感じましたが、アイダ設計さんは非常に職人さんとうまくコミュニケーションを取られている、仲が良いという感じました。こういった関係値ができていることがカメラを現場に浸透させていくことの前提条件にあるのかなと思いました。続きまして、大垣さんお願いいたします」

 

大垣「当社では360°カメラを現場管理に活用しております。いくつかソリューションを開発して展開し実証実験をしてみましたが、360°全体を見れるということには撮り逃しがなく、見たいところを全て見れるところにメリットがあります。若手、中堅、ベテラン社員の中でも各々で見るところが違い、既存のカメラの画角では『若手の社員はそこを見たいけどベテラン社員の方はそこじゃないよ、もうちょっと右だよ』というようなことがあります。360°全体が映れば、自分が好きなところが見れるわけなので非常にいいソリューションだという ことで現場に導入をしてみました。私がやったプロジェクトでは課題がいくつか見つかり『配信までの手順が非常に複雑で多い』『停電後電気が復旧しても自動でカメラが復旧しない』『熱暴走してしまって不具合が起きる』など。また、たくさんカメラをつけますと360°の映像は結構データ量が多いんですね。そうするとネットワーク負荷がかかってしまい、通信がうまくいかないというような問題が起きていました。そこでお声がけしたのがセーフィーさんです。セーフィーさんに『私どもがやりたいのはこういうことだ。360°見たいんだ。セーフィーさんのカメララインナップでこういったものを実現できないか』を期待してお願いしたという経緯がございます」

 

清水建設株式会社 建築総本部 生産技術本部 生産技術開発センター
デジタルマネジメントグループ 主査 大垣 博氏

 

渡部「大垣さん、有難うございます。昨年『セーフィーならできるでしょ』といった期待を込めたコミュニケーションをとっていただき、我々もスピード感を持って今回の『Safie GO 360』を作らねばならないという使命感もありました。清水建設さんでやっている実証は業界の中でも少し先を行っていると思っております。現場にいるような感覚になるARヘッドマウントディスプレイを使ってみたりと、我々も今後トライしていく領域だと捉えております。構造ビル工事において、建物内の躯体と設備を両面見れるようになるというのはいかがでしょうか」

 

大垣「そうですね。今までセーフィーを建築現場のゲートの付近に取り付けていますと、柱や針や床が出来上がるまでは非常によく見えますが建物が立ってくるとだんだん中の方が見えなくなってしまいます。やはり中を見たいというニーズが出てきますので、その時に今回発表された『Safie GO 360』であれば、床から天井に至るまでの範囲全てが見渡せるということで建物の柱・梁・壁ができた段階で建物内でのカメラの活用が非常に期待されるところかと考えております。天井や床、その配線空調設備などの施工状況も拡大して、スクロールして隅々まで把握することができるということが代表として挙げられるかなと思います。それに伴い安全品質、進捗管理が若手社員、中継社員、ベテラン社員それぞれで確認できるのが最大のメリットだと考えております」

 

渡部「大垣さん、有難うございます。続きまして石﨑さんには実際に現場でもご活用いただいておりましたが、いかがでしょうか」

 

石﨑「『Safie GO 360』を当社の現場で実際に設置して実証をさせていただきました。実証の中で見えたこととしては、上下方向にも広角な映像になっているということです。スクリーンに当方で撮影した実際の映像を映していただいていますが、土木工事では現場が大きいので、横方向に広角なのはそれだけでありがたいのですが、我々の工事では下方向に土を掘っていくような工事になり、上下方向や遠方方向にも幅があるものなので『下を見たい人もいれば上を見たい人もいる、真ん中を見たい人もいる』というところで、それぞれが見たい点を1台のカメラで実現できるということを感じました」

 

渡部「石﨑さん、有難うございます。防犯、安全管理のニーズもあるのではと思いますが、こちらはいかがでしょうか」

 

石﨑「先程、大垣から施行管理の話をさせていただきましたが、もちろん死角がないということはその分防犯の性能も高いということです。広範囲な土木工事現場を全て記録するとなるとカメラを何台も設置するのが従来のやり方でしたが『Safie GO 360』ではカメラ1台で済むということで非常に良いなと思っています。また、各々の視点で見たい情報を見れるという意味では情報共有が非常に活性化するなと感じています。自分の映像管理画面で動画角を変えようと他人に影響しないといいますか、自分で好きなところを見ることができるので、それはいいなと思います」

網羅的な現場の映像取得からデジタルツインの構築へ

渡部「石﨑さん、有難うございます。続きまして、最後のテーマになります。これまで『Safie GO 360』をどういう風に活用できるかというお話をたくさんいただきましたが、ここから先は少し未来の話をしていきたいと思っております。住宅の現場では360°カメラをたくさん設置した時にどういうことができるかなという1枚のスライドですが、堀江さん、いかがでしょうか」

 

 

堀江「綺麗にまとまっていると思います。例えば、納品された資材のサイズが合っているかなどの確認もできたらいいですし、それこそ現場巡視に行く前にドローンで遠隔巡視ができたら素晴らしいでしょう。我々のような戸建事業者はお客様が実際のユーザー様になるので、注文住宅を建てる時も固定の定点カメラで撮った映像をタイムラプスで残せて、それがお渡しの時にお客様にプレゼントできたらすごく喜ばれるろうなとも思います。やっていきたいなと考えています」

 

渡部「すごくいいアイディアだなと聞いていて思っています。業界の中でもお客様の顔が見れると思っておりますので、是非、タイムラプスでどのように家が立ち上がってくかの過程を一緒に共有できるような感じでやっていきたいですね。アイダ設計さんでも施工管理アプリも使われていると思いますが、そことの連携イメージはどうでしょうか」

 

堀江「そうですね、現場管理のアプリケーションを導入して使っていますけれど、どうしても工事現場は危険と隣り合わせなので安全管理の観点からも不安全行動を認識するのが必要になります。例えば、それをAIで認識してキャプチャーされてアプリケーションに飛んでくる、といった危険行動の察知ができたらいいなと思います。撮影した映像を見ている時間はないのでAIで解析し管理者に飛んでくるのはできるのかなと思います。『安全大会』のような工事業者さん協力業者さんへ注意を流す場があるので、そのような時に実例として撮っていきたいと思っています」

 

渡部「有難うございます。とても良いご意見をたくさんいただきましたが、最後にもう1つだけ。アナログ規制緩和によって、現場巡視をしなければならないという項目を撤廃し、遠隔で安全管理を1日1回すればOKという遠隔巡視と言われるものが今年の6月から試行される流れになりますが、確かに堀江さんがおっしゃる通り1日8時間ぐらい撮影していてそんなに動画を見る時間はないと思います。当社としても危険行動だけを検知して見るべき映像だけを絞り込むみたいなところまでできたらいいなと思いますがどうでしょうか」

 

堀江「はい、ドライブレコーダーなどもそうですが、管理者が見ることに時間を取られてしまうのは無駄だと思っていますので、AI解析には非常に期待をしています。施工管理者は人数を増やすだけでは費用対効果が見合わないので、カメラを増やすことでその辺の工数を減らせればというところです。そしてたくさん導入すれば少しセーフィーさんにもご協力いただけるという期待も込めて明後日以降の発売を待っているところです」

 

渡部「そうですね、引き続きご一緒にやっていきたいと思っておりますが、まずは現場の情報を確実にデータ化するところがファーストステップであることには変わりがないと思い ますので、そこの推進を全力でサポートさせていただきます。引き続きどうぞよろしくお願いします。続きまして、清水建設さんのパートになります」

 

大垣「当社ではデジタルゼネコンとして3つのコンセプトを掲げております。『ものづくりをデジタルで』『ものづくりを支えるデジタル』『デジタルな空間・サービスを提供』を柱に新(シン)三元主義の確立を測っていきたいと考えております。おかげさまで3年連続でDX銘柄に選定されておりますが、セーフィーさんの提供されているサービスによるところが大きいと考えております。現場に多数のカメラを設置しそこから得られる映像情報をデジタルツインとして活用し、リアルタイムで分析シュミレーションできるような仕事のやり方を今後確立していきたいと考えております」

 

清水建設株式会社 土木東京都支店 千葉土木営業所
外環京葉Gランプ作業所 工務主任 石﨑 裕大氏

 

石﨑「この『新(シン)三元主義』ですが、いわゆる現場で現物を現地で確認するところをデジタルに移し変えていくという考え方になります。その中で個として今使っているものが『Open Space』という360° 画像を使ったキャプチャーシステムになります。360°カメラを持って現場を歩くだけでストリートビューを簡単に作れるというシステムですが、こういったものをベースにデジタルツイン構築を進めていければいいなと思っており、私が期待していることとしては、クラウドカメラと360°画像の共有システム『OpenSpace』の連携になります。セーフィーさんのクラウドカメラにはリアルタイム性にメリットがあると思っていますが、『OpenSpace』には即事性はないもののストリートビューで空間的な情報が得られるところにメリットがあり、なんとかこの2つを掛け合わせていいものができないかなと考えています。撮影の手間をかけずにタイムリーに現場の空間的な情報を確認可能になれば、省力化にも繋がるため、そういったところを目指して取り組んでいるところでございます」

渡部「お2人とも、有難うございます。『Safie』も『OpenSpace』も清水建設さんの中では標準採用ツールだと思いますが、会社の中で標準採用ツール同士が連携されることのメリットや効果はどうお考えですか」

 

大垣「連携の効果としてはそれぞれが独立したシステムであるのは非常にもったいないなと思っています。それぞれの長所があってお互い保管できるような関係であるので、2つが掛け合わせられればお互いの利点がよりぐっと引き上げられ、お互いにとってもいいんじゃないかなと思っています」

 

渡部「ありがとうございます。ちなみに『Safie』と『OpenSpace』を触っている方は、清水建設さんの中では多い印象なのですが、どうでしょう」

 

石﨑「標準採用というものもあり、多くの現場で『OpenSpace』が導入されてますし、『Safie』も導入されていますので、弊社の社員であれば比較的双方に触っているのではないかと思います」

 

渡部「有難うございます。大垣さんにお伺いしたいんですが、デジタルツインの空間を作っていくというところにあたっては、たくさんの情報量を得たいと思いますが、 今回の半天球カメラ『Safie GO 360』はいかがでしょうか」

 

大垣「そうですね、長高層建築においては1番上の階まで行って帰ってくるまでに1日時間がかかってしまうような移動時間もかかるため、その時間の削減も含め得られた映像情報をただ見て保管するだけではなく、その得られたデータから次へ施工サイクルの改善に繋げていく分析シュミレーションについてもセーフィーさんと共に担っていければと考えております」

 

渡部「有難うございます。清水建設さんに関しましては多台数のセーフィーを活用いただいているので、ネクストステップとして溜まった映像をどう活用していくかのフェーズにこれから一緒にトライさせていただきたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いします」

 

 

 当日は、建設業界の業界紙や専門誌の方々はもちろん、幅広いジャンルのメディアご担当者様にも関心を持っていただき、足をお運びいただきました。2024年2月25日現在、掲載も多数、取り上げていただき、この場をもって御礼を申し上げます。