セーフィーは、「映像から未来をつくる」というビジョンのもと、映像データを防犯用途だけでなく、遠隔での状況確認や異常検知・予測、更には映像解析による業務効率化等の様々なソリューションの提供を通じ、社会のために誰もが活用できる映像ソリューションを追求しています。ビジネスコンセプト「映像データであらゆる産業の”現場”DX」を体現することで、誰もが働きやすい社会の実現に寄与します。

 

 今回、ご紹介するのは神奈川県逗子市にある逗子海水浴場での映像データの活用例です。逗子海水浴場は毎年7月以降の海水浴シーズンになると、2ヶ月で30万人の人々が訪れる(※1)日本有数の人気が高い海水浴場のひとつです。一番多いときには300万以上もの人々が訪れたとも言われています。

 地元の人々にも愛され、観光客も多く訪れるこの海岸を持続可能なものにしていくため、2022年4月27日に国内で6番目に国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得(※2)しました。ブルーフラッグは国際 NGO「FEE」(国際環境教育基金)が行う世界48ヶ国、5,042ヶ所(2022 年5月現在)で取得されているビーチやマリーナ、観光用ボートを対象とした国際環境認証です。ブルーフラッグ認証では、水質、環境教育と情報、環境マネジメント、安全性とサービスに関する 30 数個の厳しい基準の毎年の審査を通じて、ビーチやマリーナ、観光用ボートにおける持続可能な発展の実現を目指しています。ブルーフラッグの旗印の元、海岸関係者・市民・利用者全員が、将来の世代にわたっても安心してキレイな環境の海に親しめるよう、持続可能な取り組みを続けることが期待されています。

 

 

 海水浴場に訪れる人々がより快適にすごせるよう、持続可能な取り組みを支援するため、この度、セーフィーは逗子市と協力して、クラウドカメラを活用した混雑状況の可視化に取り組みました。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を受け、大勢を目視で計測する方法等に代わる円滑なオペレーションが求められる中、より適切な感染対策に繋げる手法として起用されました。

 屋外向けクラウド録画カメラ「Safie GO(セーフィー ゴー)」を遊泳区域内の砂浜に取り付けることにより、計600mにも渡る海水浴場の利用者数を可視化。設置工事の当日は朝7時に集合、セーフィーの工事グループ、アライアンス戦略室のメンバーを筆頭に、カメラの画角を調整しながら慎重に計8台のカメラを取り付けました。

 

 今回の取り組みではただ、クラウドカメラで撮影した映像を眺めて混雑状況を把握するだけではありません。「Safie GO」で撮影した映像データとAI解析を活用することにより、計8ヶ所のあらかじめ指定したエリア内の人数を計測できるようになりました。

 

 

 逗子市では、このAI解析技術を応用した映像データも参考にして、公式Twitterで混雑状況を発信しています。これにより、利用者の「空いている時間帯を知り安心して利用したい」「過密状況を避け、密集による感染リスクを軽減したい」というニーズに応えることができると考えました。

 

 逗子市役所 経済観光課 ご担当者の黒羽様に、実際に活用いただいてからの背景について、お話を伺いました。

 

  • 今回、海水浴場の防犯と混雑状況可視化という目的でクラウドカメラをご活用いただきましたが、いかがでしたか?

 「現在、経済観光課全員が当番制で海水浴場の開設期間中土日祝日夜間も見回りをしており、円滑な運営のためにマナーアップパトロール等を行っています。今回、セーフィーさんのクラウドカメラを遊泳区域の砂浜に設置させていただきました。カメラ映像から状況を確認できるぐらい映像が綺麗でびっくりしましたね。高画質でほとんど時差もなくリアルタイムに現場の様子がわかるので、事務所にいながら状況を把握できました。海水浴場までの行き来の時間を削減でき、その時間を他の必要な仕事に費やすことにも繋がりましたね。」

 

  • 「映像データ」の活用について、他の手段では得られない良さはどのようなところにありましたか?

 「映像によって混雑状況だけでなく、天候や砂浜、波の状況も可視化できるので、遊泳の判断基準の一つとして捉えることができました。これまでは写真や監視員からの聞き取りで判断していたので、どうしても伝達者の主観が入っていたと思うのですが、映像では客観的に物事の様子がわかるのでより正確な判断につながったと思います。」

  • クラウドカメラでの遠隔業務実施について、具体的なエピソードがあれば是非、教えてください。

 「雨天や高波時に海に赴かずとも状況(物が倒れている様子等)がわかり、必要な対応策をすぐに対処できたことは大きかったです。現地の状況を伝えられるので、その場に応じた対応ができました。今回は9時から21時までの12時間の活用でしたが、営業時間外にも予期せぬトラブルに見舞われる場合もあると思います。これまでは事後でしか認識できていませんでしたが、海岸の人の動きなどが検証できれば防犯や対策などを検討できるかもしれないと感じています。」

  • 市民の方からカメラの設置によってお声がけいただいたことはありましたか?

 「お問合せがあったとき、セーフィーさんのクラウドが強固なセキュリティ対策を行っていらっしゃる旨や、今回の取得データ管理や保存についても説明させていただいており、肯定的にとらえられている印象を受けています。事件が起こらないよう抑止効果や発生時の原因特定ができるという安心感もあったのかなと思いますね。Twitterで海水浴場の状況をお伝えしている内容の、リツイートやいいね!のようなポジティブな反応をいただくこともあります。」

 

  • 今後の活用方法としてはどういったことを考えているか?

 「今回は、セーフィーのカメラを活用することで、海水浴場の混雑状況可視化を特定のエリアごとに確認できるようになりましたが、今後はより自動的に把握でき、公式サイトやSNSでのお知らせでこれから利用する人たちに周知していけたら良いなと思っています。市役所の業務としては、すぐに対処しなければならないイレギュラーな対応も多々あるので、ご利用者の皆様への情報発信が滞らないために定期的に自動で混雑情報を発信することで、より安心して活用いただけるよう、自動化できる部分はどんどん自動化させていきたいですね。」

 

 セーフィーは今後も、生活者の「第三の目」となり、日本全国の公共空間をより快適かつ安心・安全に利用いただけるよう努めるだけでなく、適切な活用を通して持続可能な社会を後世に受け継いでいくことにも繋げていきます。

 

(※1)神奈川県:令和元年度開設の県内海水浴場利用者数
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/11326/2019kasui.pdf

(※2)逗子市:プレスリリース「令和4年度逗子海水浴場を開設します」
https://www.city.zushi.kanagawa.jp/global-image/units/249097/1-20220530202111.pdf