Voice

社員インタビュー

Engineering Manager

データドリブンな組織構築を推進。データ活用であらゆる社員の意思決定をブーストしたい

開発本部 第3開発部
部長

脇坂隆之

大学・大学院で素粒子物理学の研究に取り組み、博士過程ではアメリカのフェルミ国立加速器研究所にて、後にヒッグス粒子を発見するCERN(欧州合同原子核研究機構)で行われている実験の前世代的な衝突型実験に従事。博士取得後は、データ分析コンサルティング会社へ入社し、広告業界の需要予測や金融業界のコンシューマ向け与信分析を担当。その後に転職した2社目のデータサイエンスコンサルティング会社では、幅広い業種のデータ分析や機械学習プロジェクトに参画し、在籍7年間でPL、PM、執行役員などのポジションを経験。2022年1月、前職時代の同僚からの紹介を受けてセーフィーへ入社。同年3月、CTO室から独立したデータ分析基盤グループのグループリーダーに着任し、全社横断のデータ分析環境の構築・推進をリードしている。(所属部門・役職はインタビュー時のものです)

大学院の博士課程時代、アメリカで素粒子物理学の研究に取り組んでいた脇坂さんは、2社のデータ分析・データサイエンスのコンサルティング会社に9年間在籍し、データサイエンティストとして様々なプロジェクトで実績を残してきたデータ分析のスペシャリストです。2社目の会社では執行役員まで務めた脇坂さんですが、「自社で取得したデータを使って分析をしたい」という思いが募り、次なる活躍のフィールドを探し始めたそうです。今回のインタビューでは、脇坂さんの転職経緯やデータサイエンティスト視点から見たセーフィーの魅力をお聞きするとともに、脇坂さんが所属するデータ分析基盤グループの特徴、推進しているプロジェクトの内容などについても詳しく伺いました。

アメリカの研究所でヒッグス粒子の発見を目指していた学生時代

脇坂さんの学生時代について教えていただけますか?

大学院では研究中心の生活を送っていました。素粒子物理学に取り組んでおり、当時はまだ発見されていなかったヒッグス粒子と呼ばれる素粒子を研究するためにアメリカのフェルミ国立加速器研究所に在籍し、2年間かけて加速器を使った衝突実験に従事していました。
結局、私の在籍中にヒッグス粒子を発見することはできなかったのですが、私が大学院を出た後、2012年になってCERNの実験グループがヒッグス粒子の発見に成功しました。ヒッグス粒子の発見に際しては、私たちがフェルミ研究所で行っていた解析手法が使われていたほか、当時アメリカで一緒に研究をしていた多くの仲間たちが関わっていたこともあり、私自身もヒッグス粒子発見に辿り着くための研究活動の一端を担うことができたのだろうと考えています。

世界的な素粒子物理学の研究に取り組まれていたのですね。大学院を修了された後のキャリアについても教えていただけますか?

データ分析コンサルティング会社に入り、クライアントからの委託業務として広告の需要予測や金融業のコンシューマ向け与信分析を担当していました。その会社で2年間働いた後、データサイエンスのコンサルティング会社に転職し、幅広い業種のデータサイエンスや機械学習プロジェクトに参画し、PLやPMとしてマネジメントを行っていたほか、最後の3年くらいは執行役員も務めていました。

コンサルタントというよりはデータサイエンティスト的な仕事をされていたのでしょうか

当時の肩書きはコンサルタントだったのですが、最近の表現で言えばデータサイエンティストと呼ばれる領域の仕事を幅広く担当していたイメージです。ただ、お客様や案件の状況によって仕事のやり方や担当領域は変わります。お客様の会社に全体設計を行う部門・担当者が存在し、そこから直接仕事を受ける案件については分析のコンサルティングから入っていく形をとりましたが、お客様がコンサルティングファームを雇っている場合は、ビジネスコンサル的な領域はコンサルティングファームのコンサルタントが担当し、データサイエンスに関わる部分だけを私たちが担当していました。

転職のきっかけは何だったのでしょうか?

データ分析コンサルティング会社は、お客様からの依頼を受けて、お客様の会社が保有しているデータを分析します。当然、データ分析コンサルティング会社が独自のデータを持つことはありませんし、有用かつ豊富なデータを持っているお客様ばかりでもありません。
データサイエンスの文脈で考えると、膨大なデータを多種多様な方法で分析できた方が、より有意義な結果が得やすいことは確かです。そうするとデータサイエンティストとしては、どうしても「自分たちで取得したデータを使って分析をしたい」という思いが強くなってくる。
私自身も、いつかは自社でデータを持っている事業会社に行こうと考えていました。また、当時の会社では執行役員の立場になっており、これ以上のキャリアアップは期待していなかったので、「そろそろ違う環境に身を置いた方がいいだろうな」という思いもありました。

セーフィーが持っていた潤沢な画像データに興味を惹かれた

どのようなきっかけでセーフィーを知りましたか?

今から2年前くらいの話になります。前職時代に一緒に仕事をしていて、私より先にセーフィーに入っていた瀧山さん(現・第3ビジネスユニット 営業部 戦略・企画グループ グループリーダー)から声をかけられたことがきっかけです。
その後、森本さん(取締役 CTO)と古田さん(取締役 経営管理本部本部長 兼 CFO)にお会いしたときに、お二人から「社内に散財している顧客データや営業データを有効活用できる基盤と体制を構築したい」という相談を受けました。そういう状況であれば、私のスキルや経験を活かしてお手伝いできるだろうと考えて転職を決めましたね。

最初に瀧山さんから声をかけられた時点では、セーフィーにどのような印象を持っていましたか?

自社で潤沢な画像データを保有しており、それに関連する顧客データやログデータも持っている。それらを自分たちで活用できる環境もあるという話を聞いていたので、データサイエンティストにとっては非常に魅力的な環境に思えました。とくに前職では画像認識系、いわゆるAIやディープラーニング領域のプロジェクトに関わる機会が多かったので、セーフィーでゆくゆくは画像分析系の仕事もできるのではと思い、かなり早い時点から興味を惹かれていましたね。
また、データ分析を専門に行う組織の体制作りから関われる状況にも魅力を感じました。データ分析におけるチーム・体制作りの重要性については、前職時代から強く感じていたことなので、すでに出来上がっている組織に入るよりも、体制を構築するところから関われるなら、そのほうが良いなと。

その他に入社の決め手になったことがあれば教えてください。

前職もベンチャーと言えばベンチャーでしたが、大企業グループからスピンオフした会社だったので、大企業的な体質が残っていました。私のように学生時代に何らかの研究に従事してきたメンバーが多かったため、大学の研究室のようなアカデミックな雰囲気があり、働きやすい環境ではあったものの、似たようなタイプの人間が集まっている感じでした。
一方で、セーフィーのような様々なバックグラウンドを持った人たちが集まる「異才一体」な職場環境は、私にとって興味深かったですね。

単純に「システムを作る」だけでは、誰にも使ってもらえない

現在、脇坂さんがリーダーを務めているデータ分析基盤グループについて教えていただけますか?

データ分析基盤グループは、今年の3月にCTO室から独立する形で設立された組織です。私も含めて4名のメンバーが在籍しており、私ともう1名がデータサイエンティスト・データアナリストの役割を担い、残りの2名はシステム開発等を担当するデータエンジニアです。現在はこの4名で全社横断のデータ分析環境の構築を進めているところです。

全社横断のデータ分析環境とは、入社前に森本さんと古田さんから相談を受けていた「顧客データや営業データを有効活用するための基盤」ということでしょうか。

そうですね。お二人に共有いただいたような課題を解決するための基盤です。ただし、私たちはデータ分析を行うシステムの構築だけを行っているわけではありません。セーフィー全社に、データを活用する文化やリテラシーを根付かせるような活動も同時に進めています。単純に「データ分析ができるシステムを作りました」というだけでは誰にも使ってもらえません。使う人たち自身にデータを活用することの価値や意義を理解していただくことが大切なんです。

データを活用する文化を根付かせるために、どのような活動を行っているのでしょうか?

まさに今、営業や企画、マーケ、カスタマー部門など、様々な部署の方々にヒアリングをして回っているところで、現場の課題を理解・抽出し、それらの課題を解決できるようなデータの利活用を行うべく、皆さんと一緒に議論している状況です。

現状での成果、この半年で印象に残った仕事などがあれば教えていただけますか?

先ほどお話しした通り、この半年は現場の皆さんとの対話・議論に注力してきたので、目に見えるようなアウトプットは出せていないのが実情です。ただ、そのような活動を続けてきたことによって、社内の一部の皆さんには「データ分析基盤グループが何かサポートしてくれるのではないか」と思っていただけるようになりましたし、社内におけるデータ分析基盤グループの認知度も高まってきたと思います。また、ヒアリングから得られた課題感に対応する機能をデータ分析基盤上に実装するところまで進んでいます。

データサイエンティストとしてチャレンジできることは山ほどある

セーフィーでデータ分析やデータサイエンティストの仕事をする魅力・メリットはどこにあるとお考えでしょうか?

やはり画像に関する潤沢なデータがあることは大きいと思います。データを分析する人にとっては興味をそそられる環境だと思いますし、画像データと利用動向のデータ、顧客に関するデータなどを紐付けることで、顧客分析をすることができます。それに加え、私自身も将来的にトライしたいと考えていることでもありますが、プロダクトに関連するAI開発にも携われると思っています。
カメラの設置台数が絶えず増え続けていることにより、そこから得られるデータも増え続けていますし、それらの活用方法も含めてトータルで考えていける環境が最大の魅力です。データサイエンティストとしてチャレンジできることは山ほどあるフィールドだと思います。

今後、セーフィーでチャレンジしたいこと、成し遂げたいことがあれば教えてください。

まずは全社でデータドリブンな業務を行うための組織構築です。それは「データが示していることをそのまま実行する」というような組織ではありません。データを活用することで人の意思決定をサポートしたりブーストしたりする。あるいはデータによって新たな考え方や手段を発見する。そんなことがあらゆるレイヤー、あらゆるフェーズで当たり前にできる組織・環境を作っていきたいです。
もう一つは先ほどお話ししたプロダクトに関する取り組みです。個人的には画像認識技術を活用したサービス・プロダクトの開発にチャレンジしてみたいと考えています。現在でもSafie AI People Count(セーフィー エーアイ ピープル カウント)がありますが、今後は店舗や建設現場などの設備の異常・不具合を検知するようなプロダクトを開発できるのではないかと考えています。

最後になりますが「セーフィーのデータ分析の仕事」に興味を持っている方へのメッセージをお願いします。

セーフィーでは、CTO直下でデータ分析基盤の構築がスタートして、ようやく1年が経ったところです。ゼロからのスタートというわけではありませんが、ようやくゼロが1になったような感じであり、これからその1を10や100にしていくフェーズに入っていきます。そのような意味でも、自分たちで新しいものを生み出していけるチャンスがまだたくさんあると感じています。
自分で能動的に考えて動ける方であれば、スキルや技術は後からいくらでも身に付けられると思うので、まずは私たちと一緒にチャレンジしてくれる強い意欲を持った方に期待したいです。

セーフィーでは一緒に未来をつくる仲間を募集しています。

インタビュー時点の募集職種です。

Voice

関連インタビュー

タグから探す

Entry