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社員インタビュー
伊林 匠
大学・大学院では制御工学を専攻。数理モデルをベースにロボットの状態を推定する「状態推定」に関する研究に従事する傍ら、ベンチャー企業でのアルバイトやハッカソンへの参加を通じてWeb系のプログラミングを習得。新卒で入社した光学機器メーカーでは、生産技術部門へ配属、生産設備の研究開発業務の中で触れた機械学習・AIに興味を持ち、独学で学習を開始。クラウドソーシングで受託した機械学習の仕事に手応えを感じ、機械学習系の業務に携われる会社への転職を決意。2021年1月セーフィー入社以降は、イメージングチームのAIエンジニアとして活躍。機械学習モデルの作成と自動化(MLOps)、アルゴリズム開発など、幅広い業務を担当している。 (所属部門・役職はインタビュー時点のものです。)
大学院の研究ではロボットを動かす組み込み系のC言語、アルバイトやハッカソンではPHPなどのWeb系言語、前職の光学機器メーカーでは業務を通して機械学習やAIに触れたという伊林さんが、自身の持つ様々なスキル・経験を活かして活躍できそうだと考えたのがセーフィーでした。26歳という若さでセーフィーに転職した伊林さんは、イメージングチームでの機械学習・AIの仕事を通して、どのような新しい課題に挑戦し、どのような手応え・やりがいを感じているのでしょうか? セーフィーへの転職理由や入社後に手掛けた仕事での成長エピソード、上司・先輩の印象や職場環境の様子などについて、詳しくお聞きしました。
独学で機械学習のスキルを高め、クラウドソーシングで実績を作った
伊林さんは大学院でロボットの制御工学を研究されていたそうですが、その頃からエンジニアになりたいと考えていたのでしょうか?
大学院ではC言語を使ってプログラミングをしていましたが、当時の研究内容が将来の仕事に結び付くようなイメージは持っていませんでした。エンジニアを目指すことになった直接的なきっかけは、アルバイトの経験が大きかったと思います。 友人に誘われてハッカソンに参加したことがあり、そのときに初めてPHPなどWeb系のプログラムを学んだのですが、「せっかく学んだのだから何かに活かしたい」と考え、大学のOBが運営する会社でWeb開発のアルバイトを始めました。とくに難しいスキルを求められたわけではないのですが、「自分の勉強したことが誰か役に立っている」という実感がダイレクトに得られ、非常に刺激的でした。このときの経験がエンジニアを志すきっかけになりました。
新卒で入社した前職の会社では、どのような仕事をしていたのでしょうか?
新卒で入社した光学機器メーカーでは生産技術部門に所属し、生産ラインの自動化に関わる業務を担当していました。ラインで動いている機械の導入やサポートを行う一方で、将来導入する機械の研究開発にも関わっていたのですが、画像解析によって不良品を検出する検査機を作る仕事に携わる機会があり、そこで初めてAIや機械学習の仕組に触れ、興味を持ちました。とは言え、生産技術部門は機械学習の開発にどっぷり浸かれるような環境ではないので、プライベートで時間を作り、独学で機械学習やクラウドについて学ぶようになりました。
機械学習に興味を持ったものの、業務に直接活かせないことが転職のきっかけとなったのでしょうか?
ちょっと違うかもしれません。もともと私は生産技術よりも、もっと開発寄りの部門で働きたいという配属希望を出していたのですが、それは叶わず。業務内容もコードを書く仕事よりも事務仕事などの割合が大きく、「もっとがっつり開発に携わりたい」という思いがあったんです。でも、すぐに転職をするには実績不足だと感じたので、ある程度機械学習のスキルを身に付け、なにか実績を作ってから転職をしようと考えていました。同期にも私と同じように開発をやりたいと考えている仲間が大勢いたので、一緒に勉強会を開いたりもしてましたね。
業務内で機械学習のスキルを活かせるチャンスが少ない中、どのようにして実績を作ろうとされたのでしょうか?
半年ぐらい勉強を重ねたタイミングで、クラウドソーシングの案件を受けることにしました。「コロナでマスクを付ける人が増え、カメラの顔検出精度が下がっているので何とかしてほしい」という依頼だったのですが、今考えると現在セーフィーで取り組んでいる領域に近い仕事だったと思います。実際にその案件にチャレンジしたところ、自分が考えていた以上に高い評価を得られたので、「これを実績にして転職活動を始めよう」と決意しました。
開発したAIを自社のプロダクトに組み込める環境に魅力を感じた
クラウドソーシングで実績を作ってから転職活動をスタートされたとのことですが、やはり機械学習系の仕事ができる会社を探されたのでしょうか?
そうですね。できれば機械学習の仕事をしたいという気持ちが強かったです。また、大学時代は組み込み、アルバイトではWeb系のプログラミングも経験していたりと、幅広く技術に興味がありました。その点、セーフィーは機械学習もできるし、組み込みやWebもあり、クラウドにも関われるということで、自分にとって魅力的な環境だと感じました。
機械学習を含め、伊林さんの様々な経験を活かせるフィールドがあったことが入社の決め手になったのですね。
そこが一番大きいと思います。また、自社のプロダクトに機械学習を組み込める環境があったことにも惹かれました。機械学習の技術はベンダー系の会社が提供していることが多いのですが、そのような会社の場合、あくまでも他社の製品やサービスに組み込むことを前提とした開発しかできません。個人的にAIや機械学習は「何に組み込むかが重要だ」と考えていたので、強力な製品があり、そこに組み込む前提で開発ができるのであれば、ベンダー系の会社にはない自由でおもしろい仕事ができるだろうと考えました。
セーフィーの選考・面接を受けた際に印象に残ったことはありますか?
「セーフィーに入ったら何をしたいですか?」という質問をされたのですが、コロナ禍で景気が不安定な時期だったこともあり、顔認証で日本中の人たちの表情を読み取り、笑顔の人が多いのか、怒っている人が多いのか、という結果を数値化して、日本の全体のムードのようなものを提示するようなサービスを作ってみたいと答えました。自分としては面接の中で「夢を持った若者感」を演出したいという狙いもあっての回答だったので、今この話を大真面目にするのは少し恥ずかしい感じがします(笑)。ただ、そんな夢みたいな話をしたにもかかわらず面接は予想以上に盛り上がり、その日のうちに内定をいただけました。本当に嬉しかったですね。
セーフィーに入ったことでお客様と近い距離で開発をする楽しさを知った
現在、伊林さんがイメージングチームで担当している仕事について教えてください。
まだ入社から1年も経っていませんが、機械学習モデルの作成やアルゴリズム開発、製品へのアルゴリズム組み込みなど、様々な仕事を任せてもらえています。具体的には人物検出・人物カウントを行う機械学習モデルの開発、MLOpsと呼ばれるようなモデルを学習・評価させ、データを作る工程の自動化・効率化なども担当しました。また、お客様からの依頼を受けて技術検討やPoC(実証実験)を行う案件もあり、お店に陳列された商品のズレや欠品を感知してアラートを上げるような仕組の開発にも取り組んでいます。
伊林さんは26歳という若さでセーフィーに入社されましたが、新しいことに挑戦できているという実感はありますか?
1カ月毎くらいのペースで新しい仕事を任せてもらえますし、自分の知らなかった分野の仕事にも挑戦できていると思います。基本的にイメージングチームで取り組んでいる仕事は、会社の中でも初となる試みがほとんどなので、私にとってはすべての仕事が新鮮であり、すべての仕事がチャレンジと言えるかもしれません。
この10カ月間の中で挑戦し、学んだことの中で、とくに印象深かったものについて教えてください。
イメージングチームが担当することの多いPoC関連の案件では、クライアントであるお客様とのやりとりを通して開発・実験を進めていきます。私にとって、お客様とコミュニケーションを取り、直接フィードバックをいただきながら開発を進める仕事は初めての経験でした。前職は生産技術の研究開発だったので、社内向けの機器・ツールの開発がメインであり、社外のお客様とやりとりする機会はなかったので。 実際に製品・サービスを使うお客様と一緒に開発を進めることで、「誰かの役に立つものを作っている」という強い実感が得られました。今後は、単純にお客様の要望をお聞きするだけでなく、こちらからも積極的に提案させていただくなど、双方で意見を出し合うことで、より良い製品開発につなげていけるのではないかと考えています。
伊林さんはセーフィーにおけるイメージングチームのミッション・役割について、どのように考えていますか?
イメージングチームは立ち上がって間もない組織ではありますが、セーフィーという会社の中で機械学習系の技術を高め、ノウハウを蓄積していくという重要な役割を担っていると考えています。機械学習については他社にアウトソースすることも可能ですが、それでは自社に蓄積できるものも少なくなってしまいますからね。
イメージングチームで一緒に働いている先輩エンジニアの方々の印象はいかがですか?
長年研究に携わってきた研究スキルの高い方はもちろん、組み込み開発に長く関わってきた方など、高度なスキルや豊富な経験値を持った方が多く、一緒に働くことで常に勉強させてもらっている感じですね。イメージングチームだけでなく会社全体に言えることですが、問題意識や課題感を持って主体的に動いている方が多く、その自走力の高さにはいつも驚かされます。自分はまだまだ自走できていませんが、セーフィーには「超自分ごと化」というカルチャーもあるので、課題や問題を見つけた際には「ここが気になっています!」と声を上げることを心がけています。
「超自分ごと化」は、社会課題を解決するために一番重要な考え方
今後、セーフィーの中でどのような仕事をしていきたいですか? 夢や目標、ビジョンがあれば教えてください。
まずは「自分が作りました」と言えるような機械学習・AI技術を活用した製品・サービスを完成させることが直近の目標です。現在は先ほどお話しした、店舗に陳列された商品のズレや欠品を感知するシステムの開発を進めているところなので、上手くやり遂げたいと考えています。また中長期的には、今の日本が抱えている社会課題を解決できるようなサービスを開発したいという思いもあります。
「今の日本が抱えている社会課題」とは、どのようなものをイメージされているのでしょうか?
面接で話したような、人々の表情からムードを数値化するというシステムもその一つですが、現在の日本では人手不足が深刻化しています。私たちイメージングチームが開発している機械学習モデルやアルゴリズム、それを組み込むサービスなどは省力化に関わるものも多いので、突き詰めていけば人材不足を解消できるようなサービスにも成り得るはずです。私自身、そのような発展性にモチベーションを感じて現在の仕事に取り組んでいる部分もあるので、いつか成し遂げたいですね。 また、このような社会課題を解決するために一番重要な考え方が、セーフィーのカルチャーの一つである「超自分ごと化」だと思っています。目の前のお客様の課題、さらには社会全体の課題を自分ごと化し、深く掘り下げることで解決方法を提案できるようなエンジニアでありたいですね。
最後になりますが、セーフィーで働くことに興味を持っているエンジニアの方々へのメッセージをお願いします。
私の入社理由そのままになってしまいますが、チャレンジできる技術分野の幅広さこそがエンジニアにとってセーフィーで働く一番の魅力だと思います。また、機械学習分野に限って言えば「自分で作ったものを自社のプロダクトに組み込んで動かす」という一連の流れを早いペースで経験できる楽しさがあります。今後は様々な部署の人たちとのハッカソンなども企画してみたいと考えているので、興味のある方は、ぜひ一緒に参加してほしいですね。
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