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社員インタビュー

Product manager

「現場・現物・現実」に触れるこだわり。クラウドカメラのラストワンマイルを実現したPdMの思考とは。

企画本部
IoT企画部 IoTプロダクトグループ

齋藤孝

自動車メーカーにて新車・中古車の営業企画を7年間経験。IT企業に転職し、SNSを用いたマーケティングリサーチ業務を担当。XRとAI領域に強みを持つ企業に活躍の場を移し、PdMやプロデューサーとして様々なプロダクトの立ち上げに従事。その後、料理のレシピサイトを軸に幅広い生活サービス事業を展開するメガベンチャーに転職し、ハードウェア・ソフトウェアを一体としたUX設計に基づくプロダクトマネジメントや新規事業の立ち上げに携わる。2024年1月にセーフィーへジョインし、現部門にてネットワーク領域や新市場開拓に関連するプロダクトのPdMに従事。多拠点・多台数のカメラによるクラウド環境を実現し、映像を一括管理できる「Safie Trail Station(セーフィー トレール ステーション)」のPdMとして企画開発全工程のリードを担当。(所属部門・役職はインタビュー時のものです)

セーフィーは2025年3月、多拠点・多台数のカメラによるクラウド環境を実現し、映像を一括管理できる新プロダクト「Safie Trail Station」をリリースしました。そんな「Safie Trail Station」のPdMを担当し、企画開発からリリースまでの全工程をリードしたのがIoTソリューション部の齋藤さんです。お客様の通信負荷やコスト課題を解消する本プロダクトは、2025年8月時点で販売計画を大きく上回る受注をいただき、好調なスタートを切っています。今回は、齋藤さんのキャリアやセーフィーへの入社経緯をお聞きするとともに、「Safie Trail Station」の製品特徴やリリースに至るまでの開発秘話、セーフィーのPdMの特徴などについても語ってもらいました。

スピード感を持って「0→1」「1→10」の仕事に携われる環境に魅力を感じた

まずは齋藤さんのセーフィー入社以前のキャリアを教えてください。

セーフィー入社以前は、料理レシピサイトの運営を中心に幅広い事業を展開するIT企業に勤めていました。PdMとして生鮮食品ECサービスの新規事業立ち上げに携わり、事業に必要なハードウェアやソフトウェアに関するプロダクトマネジメントや運用設計、品質ガイドラインの構築などを担当していました。

転職を考えた理由やきっかけについても教えてください。

私は長い間、ハードウェアとソフトウェアを両軸で回しながらプロダクトを企画するようなキャリアを歩んできましたが、そのような自分自身の経験を活かせる領域で「新しいことにチャレンジしたい」という気持ちがありました。また、近いうちに子供が生まれることも分かっていたため、仕事と育児を両立できる環境で働きたいと考えていました。

なぜ、転職先としてセーフィーを選んだのですか?

前職の会社の物流倉庫にセーフィーのカメラが導入されていたので、セーフィーについては以前から知っていました。選考を受けた際には、大手企業出身の方が多く、企業規模の割には落ち着いた雰囲気があると感じました。また、ワークライフバランスを大切にできる制度・環境が整っていながらも、スピード感を持って0→1や1→10の仕事に携われるような事業フェーズであることにも魅力を感じ、セーフィーへの入社を決めました。

齋藤さんの現在の仕事内容について教えてください。

セーフィーのクラウドカメラをより多くの方々に使っていただくためのネットワーク関連のプロダクトや、お客様の既存カメラを活用しながらセーフィークラウド環境下で映像を一括管理できるプロダクトを企画するPdMを担当しています。

さらに細かく言えば、ネットワークカメラに必要なLANケーブルを引くことが難しい施設・建物の中でセーフィーのカメラを使っていただく方法の検討や、光ファイバー・モバイル回線といったインターネット環境がない場所での利用方法の検討など、何らかの制約条件があるお客様や施設に対して、セーフィーのサービスを提供するためのあらゆる手段を考えることも含めて、自分自身のミッションであると考えています。

その中でも直近担当させていただいた「Safie Trail Station」のプロダクトマネジメントが、私にとっての一大プロジェクトだったと感じています。

多台数カメラ接続の実現とコスト問題を解消する「Safie Trail Station」の実力

齋藤さんがPdMを担当した「Safie Trail Station(セーフィー トレール ステーション)」は、どのようなプロダクトなのでしょうか?

「Safie Trail Station」は、お客様が現場や店舗内などに設置されている既存のIPカメラに接続いただくことで、そのままセーフィーのサービスを利用できるネットワーク接続型ストレージ製品です。

「Safie Trail Station」には大きく分けて3つの特徴があります。一つ目は多台数のカメラが接続できることです。基本的なセーフィーのサービスは、カメラから取得したすべての映像データをクラウドに上げることで、遠隔でPCやスマホからの視聴を実現しています。しかしその手法だと、10台20台と多台数のカメラを設置されているお客様の施設では、かなりのインターネット帯域を使用することになり、インターネットを使用する他の業務に支障が出てしまうことが懸念されていました。

そのような課題の解決策として、「Safie Trail Station」では本体内蔵のストレージに映像データを貯めておき、必要に応じて遠隔から映像データにアクセスできる当社独自の「ローカルハイブリッド」という仕組みを導入しています。この仕組みにより、多台数のカメラを接続してもお客様のインターネット帯域を圧迫することがなく、他の業務に支障が出ることもありません。

2つ目、3つ目の特徴についても教えてください。

2つ目は、Safieの導入コストを削減できることです。これまでセーフィーのサービスを導入いただく際には、現場や店舗のカメラをすべて入れ替えていただく必要があり、コスト面において導入ハードルが高くなっていました。また、工場などではカメラの入れ替え工事に伴いラインを止めなければならないようなケースも発生していました。「Safie Trail Station」では、お客様がすでに導入されているIPカメラをそのまま接続して利用できるため、これまで予算や施設の問題でSafieの導入に二の足を踏まれていたお客様に対しても、Safieをご提案しやすくなりました。

3つ目は、PCレスで映像視聴が可能なことです。Safie以外の防犯カメラシステムを利用されていたお客様の多くは、現場に設置したモニターなどで映像を確認されていました。そのためSafieを導入する際には、別途PCやスマホ、タブレットといったデバイスをご用意いただく必要があったのです。このような課題の解決手段として「Safie Trail Station」の本体にはHDMIを付けており、様々なモニターと直接つないで映像を確認いただくことができます。また、「Safie Trail Station」にはマウスやキーボードも接続できるためPCを用意する必要もなく、「Safie Trail Station」一台だけでカメラの映像を確認できる環境が整います。

営業部門や工事部門のUXを改善し、製品の「売りづらさ」を解消

齋藤さんは、いつ頃から「Safie Trail Station」の企画開発に携わり始めたのですか?

私のところに話が降りてきたのは2024年の6月頃でした。私がPdMとなり、同年の9月に社内承認を通過したのちに本格的な企画を進めていきました。プロダクトの正式リリースが2025年3月なので、トータルでの企画開発期間は7カ月程度となります。

「Safie Trail Station」の企画開発はどのようにスタートしたのですか?

社内的には企画がスタートした段階で「2025年3月までにリリースする」という目標が決まっていました。企画開発期間としては非常に短いこともあり、私としては「粗削りでも芯を食ったプロダクトを出す」という方針を掲げ、スピード感と意思決定の軸をブラさないためにも「やること」「やらないこと」「優先順位をつけて対応すること」を明確化し、社内関係者にも周知徹底した上で企画を進めていきました。

「Safie Trail Station」の企画開発について、苦労したことや難しかったことがあれば教えてください。

セーフィーには「Safie Trail Station」の以前にも、既設カメラをクラウド化する「Safie Camera Gateway2(セーフィー カメラ ゲートウェイツー)」という製品があったものの、販売に苦戦していました。提案に際して高度なネットワーク知識が必要になることに加え、カメラ系のプロダクトほど頻繁に売れる製品ではなかったため、営業部門からは「提案が難しい商品」として認識されていたのです。また、同様の理由で工事部門からも敬遠されていました。

私は「Safie Camera Gateway2」と同じような状況に陥らないために、「なぜ提案が難しいのか」についての仮説を立て、課題を明らかにした上で対応策を講じていきました。具体的には、社内のUXデザイナーと相談してサービスブループリントをベースに営業部門・工事部門・お客様、それぞれのUXを分解・詳細化しました。その結果として、新たに「Safie Trail Station」の接続検証用アプリを開発しました。「Safie Camera Gateway2」時代は、営業や工事担当者が様々な機材を現場に持ち運んだ上で複雑な接続検証作業を行っていましたが、新たに開発した接続検証用アプリを導入することにより、そのような複雑な作業を解消することができました。

その後は営業企画部門と連携し、営業向けの製品説明資料や事前研修のプログラムを一緒に作成したりしました。また、私自身がリリース前に実施されたすべての商談に同行しました。その上で「何を説明するのが難しいのか」「お客様に対してどのように提案するべきか」といった点について営業部門のメンバーと一緒に考えていき、提案資料やトークスクリプトを磨き上げていきました。

お客様だけでなく「Safie Trail Station」を提案する自社の営業部門や工事部門に対するUXも整えていく必要があったということですね。プロダクトやアーキテクチャの選定などについてはいかがですか?

企画立ち上げ当初は実現方法もハードウェアも決まっていなかったため、PCで実施するのか、NASで実施するのか、ビデオレコーダーに搭載するのかなど、様々なアーキテクチャを検討した上で30社以上のサプライヤーとコンタクトを取りながら検討を進めていきました。

最終的には「セーフィーで開発しやすいか」「アプリケーションを載せやすいか」「お客様に提供するためのコスト要件を満たせるか」「弊社として満たしたいハードウェアの要件が合致するか」「パートナーとして長期的なお付き合いができそうか」といった様々なポイントを考慮しつつ、ハードウェアを供給してもらうサプライヤーを決定しました。

様々な苦労の末にリリースされた「Safie Trail Station」ですが、企画開発工程全般を通して印象に残っていることがあれば教えてください。

PoCやフィールドテストを行う中で私自身がこだわり続けた機能がお客様に評価され、採用に至ったときはとても嬉しかったです。また、開発時から興味を持っていただいていた大手クライアント様に製品性能をご納得いただき、導入が決定した際には開発メンバー全員で喜び合うことができました。最終的に「Safie Trail Station」に関連する膨大なプロダクト群を短期間で開発することにはなりましたが、各領域のメンバーがオーナーシップを持って自主的に行動を重ねた結果、それらすべてを無事にローンチすることができました。リリース後の状況ですが、2025年8月時点で販売計画を大きく上回る受注をいただき、好調なスタートを切ることができたと感じています。

クラウドカメラのラストワンマイルとなり得るプロダクトを作っていきたい

セーフィーの強みや優位性、今後の成長性についてはどのように考えていますか?

現在ではクラウドカメラの価値が認知され始めており、競合の参入が相次いでいることも確かです。しかし、クラウドカメラ関連のソリューションやサービスに関しては「どのように届けるか」「どのように施工するか」といった部分までを含めた総合力が問われるため、単純にプロダクトを作るだけでは上手くいかないのです。

その点、セーフィーは業界・業種ごとの現場の課題を把握できる組織構成や、営業・開発・施工・保守をオールインワンで実施できる仕組みを整えているなど、幅広い領域をカバーする体制と勘所を有しています。このような観点でプロダクトやサービスを展開している企業は、私が知る限り多くないというのが現状であり、国内・海外を問わず大いに成長できる余地を残していると思います。

セーフィーのPdMの仕事には、どのような特徴があると感じていますか?

企業規模がそれなりに大きく、役割も細分化しているため、物事を進めるためには様々な調整が必要になります。また、セキュリティ的にセンシティブなプロダクトや24時間365日稼働での運用を前提とするサービスが多いため、情報セキュリティ面や品質面での要求水準も高いと思います。そのような業務の難しさはあるものの、一方で「お客様のためにワンチームで頑張っていこう」という一体感のもと、社員同士で協力しながら仕事を進めていける文化が強く、ポジティブで協力的なムードの中で働けることも、セーフィーのPdMの特徴の一つだと感じています。

齋藤さんは、どんなときに仕事のやりがいを感じていますか?

コストなど様々な理由でクラウドカメラの導入ができなかったお客様とお会いしたときに、「ウチでも試してみたい」「当社でも導入できそうだ」と言っていただき、お客様が嬉しそうな顔をされたときは「苦労した甲斐があったな」と思えますし、この仕事のやりがいを実感します。また、社内の営業から「こんな商品を待っていた」「営業しやすくなった」「今までアプローチできなかったお客様にも販売できた」といった声を掛けてもらえたときにも嬉しい気持ちになります。

今後、セーフィーでキャリアを歩む中でチャレンジしたいことはありますか?

「Safie Trail Station」のリリースによってクラウドカメラをご利用いただけるお客様の数は以前よりも増えましたが、セキュリティ上の制限や録画時間の問題などもあり、まだまだ「導入が難しい」というお客様も少なくありません。そのようなお客様に対して「これなら使える」と思っていただけるような、クラウドカメラのラストワンマイルとなり得る新しいプロダクトを作っていきたいと考えています。

最後に、齋藤さんはどんな人と一緒に働きたいですか?

現場・現物・現実に触れながら情報取集を行いつつ、「こうしたい」という意志を持ち、その意志や判断軸を言語化して人に伝えることができる人と一緒に働きたいです。また、プロダクトの企画や開発には楽しいことや嬉しいこともありますが、その一方で辛いことや上手くいかないことがたくさんあります。そんなときでも前に向かって進めるような「やり抜くことへのこだわり」を持っている人に期待したいですし、そんな方々と一緒に理想のプロダクト像を議論しながら、まだ世の中にないプロダクトやサービスを作っていきたいです。

セーフィーでは一緒に未来を
つくる仲間を募集しています。

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