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社員インタビュー
大野 浩史
映像作家に憧れて大学を中退後、2006年より広告代理店のクリエイティブ部門でWEBデザイナーとしてのキャリアをスタート。3年後にフリーランスとなり、テレビ局のデジタルコンテンツ制作を担当。2012年、ソーシャルゲーム系のメガベンチャーに入社し、ゲームのクリエイティブディレクターおよびEC事業のディレクターとして活躍。2017年より再びフリーランスとしてテレビ局の仕事に関わり、テレビ番組の広告宣伝業務を担当。2019年にセーフィーへジョイン。コーポレートサイト制作など様々なクリエイティブ業務を担当し、2022年春、セーフィーデザインセンターの部長に着任。(所属部門・役職はインタビュー時のものです)
セーフィーのデザインセンターは、「セーフィーのブランド価値を最大化する」というミッションに掲げ、社内における様々なデザイン業務を担っています。今回はデザインセンターの部長を務める大野さんへのインタビューを実施し、大野さんのこれまでのキャリアやセーフィーにジョインした経緯を振り返るとともに、デザインセンターの組織概要、グループごとの役割、他の会社のデザイン部門との違いやクリエイターにとっての魅力、さらにはデザインセンターにおける現状の課題や今後の展望などについて詳しくお聞きしました
2006年に入った最初の会社の延長線上にセーフィーがある
大野さんのセーフィー入社以前のキャリアについて教えてください。
2006年に広告代理店のクリエイティブ部門でWEBデザイナーとしてのキャリアをスタートしました。その会社で3年ほど働いてフリーランスとなり、テレビ局のデジタルコンテンツの仕事を2年ほど経験した後、ソーシャルゲームで急成長したメガベンチャー企業に入社。ゲームのクリエイティブディレクターとして約3年間働きました。この期間にベンチャー企業の意思決定の早さやシンプルな仕事への向き合い方や強いカルチャーのもと同じ方向性を向いて行動する働き方について学ぶことができたほか、様々な研修を通して一人前のビジネスパーソンに育てていただいたなと思っています。
その後、ゲーム系のスタートアップや外資系の漫画アプリ運営会社などでアプリの開発・運営などの仕事をしているうちに、以前のテレビ局で一緒に仕事をした人から声を掛けられ、再びフリーランスでテレビ局の仕事をするようになりました。この時は、テレビ番組が新しく立ち上がったときの広報宣伝活動の中で、内部のメンバーだけでは対応できないオンラインのプロモーション・広報活動の支援が主な業務で、オウンドメディアの開発運用、SNS発信、WEB広告などを担当していました。
この仕事をはじめて2年弱ほどたった頃、セーフィーに転職していたメガベンチャー企業時代の知り合いからWEBサイトに関するアドバイスを求められるなど、少しずつセーフィーの仕事に触れる機会が増えていきました。
フリーランスとして仕事を手伝うようになったことがセーフィーとの最初の出会いだったのですね。
お金を頂かずにアドバイスをしていた期間も長かったのですが、あるタイミングできちんとした契約を結ぼうという話の流れで「どうせなら社員として来てもらえませんか?」と提案されました。もともとフリーランスだったので、当初は仕事のウェイトをテレビ局の仕事多めからセーフィーの仕事多め、くらいの軽い気持ちだったのですが、最終的には入社することになりました。
そもそも「転職」というイメージではなかった感じでしょうか。
そうですね。常に自分が取り組みたいテーマに沿った環境で働くために職場を変えてきたので、私のすべてのキャリアは2006年に入った最初の会社からの延長線上にあると考えています。それは、過去に働いた人とまた働く、という人の繋がりもありますが、取り組んでいる仕事のテーマもずっと繋がっていると自分の中では考えています。今回の場合だと、転職前にテレビ局でおこなっていた消費者とのオンライン上でのコミュニケーションを、媒体側から事業者側に立ち位置を変えて、セーフィーという会社と消費者とのコミュニケーションデザインに対象が変わっただけで、私が受け持っている職務上のミッションに大きな変化があったという感覚がありません。
なので、自分の中では「転職」というよりも「テレビ局の仕事の先にセーフィーでの仕事が待っていた」と言った方がしっくりきますね。
2021年の上場を前に新しいコーポレートサイトの立ち上げを担当
入社当時、セーフィーという会社にどのような印象を持っていましたか?
セーフィーの事業をはじめて聞いた時は「Safieのどこがプラットフォームなの?」という印象を持っていました。防犯カメラで撮影した動画をインターネット経由で閲覧するだけなら「単純にIoTのプロダクトではないのか?」と考えていたのです。2019年当時はOpenなAPIもありませんでしたからね。
ただ、実際にセーフィーに入って経営陣と一緒にSafieの映像プラットフォームとしてのビジョンやプロダクトの企画に関わっていくうちに「Safieはプラットフォームである」ということに納得できるようになりました。現在、UIのインターフェイスを持って製品化・サービス化しているソリューションやプロダクトはSafieのプラットフォームの一部であり、映像データを取り扱う裏側の仕組みは、世には出ていませんがとても可能性のある魅力的なプロダクトです。
現在皆様に提供できているサービスはカメラの映像を見るという特性が強い製品が多いですが、今後は保管されている映像データに様々なものを掛け合わせていく、”映像データのプラットフォーム”としての価値が、事業の拡大とともにますます大きくなってくると思います。正直、デザイン職種からすると、こういうプラットフォームの形もあるのかと、そんな印象を持っている不思議なプラットフォームです。
大野さんのセーフィー入社以降のキャリアや仕事内容について教えてください。
セーフィーには私が入社した2019年当時からデザインセンターがありました。入社から現在まで一貫してデザインセンターに籍を置き、コーポレートサイトなどセーフィーの各種WEBサイト、さらには2019年以降にセーフィーがリリースしたほとんどすべてのプロダクトに関わる機会をいただきました。また、私自身が「火中の栗」を進んで拾いに行くタイプなので、時期によっては宣伝部門を兼務しマーケティング業務を担当したりと様々な事業活動に携わってきました。
2022年の春からデザインセンターの部長を務めていますが、「セーフィーのクリエイティブの先頭に立って引っ張ること」が私自身のミッションであると考えており、デザインの文脈で主体的に企業活動の推進に関わっていくことを心掛けています。
セーフィー入社後に手掛けた仕事やプロジェクトの中で、とくに印象に残っているものについて教えてください。
自分の中でもっとも手応えがあったのはコーポレートサイト(https://safie.co.jp)の立ち上げです。以前のセーフィーのWEBサイトはコーポレート情報やプロダクト情報、採用情報などがすべて同一のサイトの中に組み込まれていたので、かなりゴチャゴチャしていました。たとえばプロダクトに関しては「簡単に取り付けられるカメラです」「すぐに使えるサービスです」というメッセージングが求められていたのに対し、会社としては「映像から未来をつくる」という大きなビジョンを伝えていく必要があり、双方のメッセージを同一サイトの中で伝えていく方法は誰から見ても無理があるものでした。
このままではマズいということで、私たちは2021年の上場を前に新しいコーポレートサイトの立ち上げや既存コンテンツの整理・再構築に取り組みました。社長へのロングインタビューを通して、会社のビジョン、ESGやサスティナビリティへの思い、プロダクトに対する考え方、投資家へのメッセージ、社員や人材に対する思いなどを一つひとつ整理しながら新しいコンテンツやページを作っていきました。「今までなかったからやめておこう」ではなく「あるべきものは新たに作ろう」という姿勢で取り組んだプロジェクトだったので、非常に強く印象に残っています。
デザインセンターを構成する4つのグループの役割について
デザインセンターのミッションや特徴について教えてください。
デザインセンターのミッションは「セーフィーのブランド価値を最大化する」です。これはデザインセンターが立ち上がった当初から変わっておらず、私たちは常にこのミッションの実現を目指しています。また、ミッションを実現するための具体的なアクションとしては、『UXの向上』と『ブランドの創造』という2つの軸を意識した活動を展開しています。
私たちは事業会社のデザイン部門として「求められるデザインをするだけ」「まとめて終わり」ということにならないよう、具現化・可視化のスペシャリストであり続けなければならないと考えています。会社の在り方や事業・プロダクトに対して、常に本質的な目的や行動・アウトプットを追求しています。
デザインセンターの人員や組織体系について教えても教えていただけますか?
現在、デザインセンターには約20名の社員が在籍しています。以前はディレクターとデザイナーという職能でチームを分けていましたが、今年の7月にデザインセンター内の組織改編を行い、以降は担当する案件の内容や役割ごとにコーポレートデザイングループ、プロダクトデザイングループ、リサーチ&セールスデザイングループ、デザインOpsグループという4つのグループで業務を推進しています。
4つのグループの役割や業務内容はどのように分かれているのでしょうか?
セーフィーには今、会社として5つの本部があり、それらを社内では「創る組織」「稼ぐ組織」「守る組織」をジャンル分けして呼んでおり、デザインセンターもそれらの組織のジャンルにわけたグループ編成にしています。
「創る組織」向けには、プロダクトデザイングループを組成しており、UI/UXやパッケージなども含めたプロダクトの制作およびプロダクトのブランディングを担当するグループです。
セールスデザイングループは、「稼ぐ組織」と伴走するグループで、営業部門の企画・施策に基づいたプロモーション活動用のWEBサイトや販促用のムービー制作などを行っています。プロダクトデザイングループが1、2年先の中期的な売上に対するアプローチを行っているのと比較すると、セールスデザイングループは直近の四半期・年度における短期的な売上に貢献する業務を担っています。
「守る組織」とデザインに取り組んでいるのは、コーポレートデザイングループで、経営管理本部やカスタマーサクセス、カスタマーコミュニケーションに関わる領域のデザイン業務を担当しています。セーフィーという会社の長期的なブランディングや採用活動におけるコミュニケーション活動のデザイン、ユーザーとのコミュニケーション施策などに取り組んでいます。
デザインOpsグループは、セーフィーのデザインシステムの構築・運営や、デザイン手法の仕組み化、コーディング業務などの横断的な業務、デザイン職能のHRMなどを担っているグループです。
「デザインで関与できない領域」をできる限り作らないように努めてきた
大野さんは様々な会社のデザイン部門を経験されていますが、セーフィーのデザイン部門であるデザインセンターで働く魅力やメリットはどこにあると考えていますか?
他の会社のデザイン部門とセーフィーのデザインセンターの違いは、関与できる領域の圧倒的な広さにあると考えています。私自身もそうですが、当社に転職してくるディレクターやデザイナーの方々は、広告業界などの制作の現場で長らくクリエイティブの仕事を経験されてきた方がほとんどです。そのような方は、以前の環境でも経験してきたような「事業会社でなくてもできる仕事」や「外部の制作会社に頼めば終わってしまう仕事」に対して、あまり面白みを感じないのではと思います。
一方で、事業の中でデザイン人材が貢献できる局面は「単にデザインを作る仕事」以外に沢山あります。ある種、働き方を変えなければならないので大変な部分がありますが、私自身もセーフィー入社以降、「デザインで関与できない領域」を出来る限り作らないように努めてきたつもりです。
例えば、UXデザインにおいて、本来なら顧客とのコミュニケーション全体で改善に取り組まないといけないようなことも、部分的なUI改善のみにしか関与できない、もどかしい経験があるUXデザイナーも多くいるのではないでしょうか。当社においては、どのファネルのUXについてもスコープに含めることが可能で、自分が所属する会社の事業に貢献するために「本当にやるべき業務」にしっかりアプローチできることもデザインセンターの魅力であると考えています。
現状のデザインセンターにおける課題感などがあれば教えてください。
私が入社した当時のデザインセンターは社員数80名の会社の中の4名の組織でしたが、今は社員数400名の会社の中の20名の組織となりました。昔は社内各部門から依頼されたデザイン業務を整理して必要十分なアウトプットを作るなど、デザイン業務そのものを担当する能力がなくても許されている部分があったのですが、現在の状況ではそうもいきません。各部門それぞれの専門性が上がり、社内からは昔以上にデザインの専門家であることが求められており、グラフィックデザインにしてもUIデザイン、UXデザインにおいても、中途半端なスキルではなく強いスペシャリティを発揮していく必要があると考えています。
また、会社が中長期的に成長していく上で必要不可欠となるブランディングに関する考慮・アクションも求められてきています。今後はデザインに関する強力なスペシャリティを持った人材やブランディングのノウハウ・経験を持った人材を外部から採用する、もしくは自社内でそのようなスキルを備えた人材を育てていける制度・環境を整えていく必要があると考えています。
最後になりますが、セーフィーのデザインセンターに興味を持っている方々へのメッセージをお願いします。
私は20年ちかくクリエイティブ領域でキャリアを積んできましたが、セーフィーほどおもしろい会社、働きがいのある会社を経験したことがありません。今までの自分のキャリア全体をカバーするような幅広い業務が存在するので、「あのとき実現できなかったことを、いま試してみよう」といったチャンスがたくさん転がっている会社です。そのような意味でも、ご自身が手掛けている仕事にもどかしさや物足りなさを感じている方は、ぜひセーフィーを検討いただきたいと思います。
また、私はデザインセンターのメンバーに対して常に2つのことをお願いしています。一つは「会社に貢献すること」、もう一つは「楽しく働くこと」です。楽しく働くためには透明性のあるコミュニケーションができる職場、社員同士が互いに感謝し、リスペクトし合える文化が欠かせませんが、私もマネジメントとして、そのような環境を一生懸命作っていくつもりです。我々と「楽しく働くこと」にコミットしていただける方、お待ちしています。
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