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社員インタビュー
渡部 郁巴
筑波大学大学院で分子工学を専攻し、医療分野におけるナノロボットの研究に従事。新卒で国内大手プラントエンジニアリング会社に就職。中東や東南アジア、北米地域におけるプラント開発に参画し、プロジェクト全体の進捗管理やリスクマネジメントを担うプロジェクトコントロールのポジションにて活躍。2021年5月、建設業における現場DXに携われる企業への転職を目指し、セーフィーへジョイン。パートナー営業部での戦略立案業務を経て、2022年より建設業・製造業の業界攻略を推進する第2ビジネスユニット ビジネスストラテジーグループに所属。現在は同ユニットの戦略や販促キャンペーン、マーケティング施策、予実管理および数値分析を担当。趣味は猫とサウナとテニス。(所属部門・役職はインタビュー時のものです)
新卒で大手プラントエンジニアリング会社に入り、海外各国のプラント建設プロジェクトに関わっていた渡部さんは、前職在籍時に肌身をもって感じた「建設現場の不」を解消すべく、建設DXを推進するセーフィーに転職しました。現在、渡部さんは建設業・製造業の業界攻略を推進する第2ビジネスユニットに所属し、営業戦略の立案やマーケティング施策の企画・遂行を担当しています。今回のインタビューでは、渡部さんが担当している業務の内容、仕事を通して実感しているやりがい、今後の夢や目標などについてお聞きすることで、セーフィーが推進する建設DXの現在地に迫ります。
プラントエンジニアリング業界で身をもって感じた「建設現場の不」とは
セーフィー入社前はどのようなお仕事をされていましたか?
大学院修了後、グローバルかつスケールの大きな仕事に惹かれ、世界各国で巨大なプラントを建設しているプラントエンジニアリング会社に入りました。
入社後は建設プロジェクト全体の進捗管理やスケジュール遅延の分析および対策の立案、リスクマネジメント、生産性向上、顧客やジョイントベンチャーへの報告・交渉などを行うプロジェクトコントロールというポジションを担当しました。在籍した3年間ではカタールのプロジェクトに参加していた期間がもっとも長く、現地に赴任して毎日現場を駆け回ることもありました。また、人材育成の観点から東南アジアやアメリカで行われていたプロジェクトにも参加していました。
渡部さんの期待通り、グローバルかつスケールの大きな仕事に取り組まれていたようですが、なぜ転職を考えられたのでしょうか?
プラントは人々の生活基盤となるエネルギーを生産する重要な施設ですが、その建設現場には数多くの不が存在し、多くの人々が苦しんでいる現実を知りました。
プラントエンジニアリングは、決められた予算と納期の中でプロジェクトの完遂を目指す受注産業の一つですが、私たちが建設していたプラントは完成までに5、6年は掛かってしまう巨大な建設物でした。必然的に工事の規模も大きくなるため「何もかも上手くいって想定通りに工事が進む」というプロジェクトはほとんどありません。しかも、少しでもスケジュールをオーバーしてしまうと億単位の赤字が発生することになり、それらすべてを建設する側の会社が負担することになっていました。
そのような業界の不、建設現場の不を解消したいと考えられたのでしょうか?
そうですね。そもそもプラントエンジニアリングの建設現場はDXという言葉すら浸透していないレガシーな環境でした。さらには年功序列の文化も根強く残っており、業界や会社の中から変革を進めることが難しい状況でした。だからこそ一旦業界と会社を離れ、本気で現場DXを推進できる環境に身を置き、外部から建設現場を変えてみようと考えたのです。
現場DXの推進という転職軸に一番マッチしていたのがセーフィーだった
転職活動を行うにあたり、どのような企業を検討されたのでしょうか?
外資系のコンサルティングファームや建設系のバーティカルSaaSを中心に検討しました。コンサルティングファームからは内定もいただきましたが、内定後のカジュアル面談で詳しく話を聞いていくうちに、特定業界のDXを推進することに対する「人ごと感」が強く、自分の実現したいことに深く関われないかもしれないと感じました。
セーフィーは転職エージェントの方にご紹介いただいた企業の中の一社でした。会社のホームページを少し調べただけでも、自分がチャレンジしたかった現場DXに対して本気で取り組んでいる様子が窺えたことが大きかったですね。すぐにエントリーしようと決めました。
最初から営業部門で働こうと考えられていたのでしょうか?
最初は外部企業との提携も含めた新規事業開発を行うアライアンス戦略室のメンバーとしての選考を受けていましたが、佐渡島さん(代表取締役CEO)との面接の際に「渡部さんのやりたいことを実現するなら、まずは営業部に行ったほうがいいかもね」と助言され、パートナー営業部の戦略チームに配属されることになりました。
どうして佐渡島さんは「渡部さんは営業部からスタートした方がいいだろう」と思ったのでしょうか。理由などはお聞きしていますか?
まずは事業の最前線である営業部門で経験を積むべきだと考えられたのでしょうね。私自身も現場のことを知らずに立てた戦略・戦術では納得感が得られないと考えていましたし、そんな人間の立てた戦略には何の説得力もないだろうと思ったので、佐渡島さんにも「ぜひ営業部からやらせてください」と言いました。
入社の決め手は、現場DXにチャレンジできる環境があったことが大きかったのでしょうか?
そうですね。「現場DXをやりたい」という自分の転職軸にもっともマッチしていたのがセーフィーでした。また、映像による課題解決に可能性を感じたほか、ベンチャー企業であるにも関わらず、多くのパートナー企業と共に成長できるビジネスモデルを確立していたことにも将来性を感じました。
最終面接が終わった後、オフィスを回って職場の雰囲気を見せてもらったのですが、若い社員たちがカジュアルな雰囲気の中で楽しそうに働いていたことが印象的でした。前職は比較的年配の方が多く、堅い雰囲気のある会社だったので、若い人たちと一緒に働けること自体にワクワクしたことを覚えています。
お客様の協力のもと「Safie Pocket2」による遠隔臨場の活用方法を明確化
現在、渡部さんは第2ビジネスユニット ビジネスストラテジーグループのグループリーダーを務められていますが、主な業務内容について教えていただけますか?
第2ビジネスユニット(以下、BU2)は建設業・製造業・インフラ・物流・公共事業など「現場」があるお客様にセーフィーの製品・サービスを活用した課題解決を提案・提供する組織です。私たちビジネスストラテジーグループのミッションは、BU2の営業組織が目標数値を達成するための戦略立案および遂行であり、市場動向調査、販促キャンペーン・マーケティング企画の実施、予実管理、数値分析などが主な業務となります。常に現場の一次情報を重視し、一次情報を抽象化することで業界攻略やデジタルマーケティング、ウェビナーといった各種施策に昇華する活動を推進しています。
様々な業務をご担当されていますが、ご自身が担当された仕事・プロジェクトの中で印象に残っているものがあれば教えてください。
国土交通省が2020年から進めている取り組みの一つに、「遠隔臨場」というものがあります。遠隔臨場とは、国土交通省が推進する建設DXの施策でウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用し、発注者が建設現場の各種検査を遠隔で行う行為を指しますが、「Safie Pocket2(セーフィーポケットツー)」をはじめとするセーフィーの製品は、遠隔臨場を実現する手段として、様々な企業様に採用されています。
しかし以前のセーフィーでは、お客様が遠隔臨場のために「Safie Pocket2」をレンタル頂いていること自体は把握していたものの、実際のお客様の現場での使用方法については詳しく理解できていませんでした。そこで私たちは「Safie Pocket2」を導入されている大林組様にアポイントを取り、実際の現場での使用方法をヒアリングさせていだきました。
大林組様のご協力の結果、「Safie Pocket2」の実際の現場での使用方法を詳しく理解することでき、セーフィー側でも遠隔臨場における活用方法が明確に定義できるようになりました。私たちは大林組様の事例をもとに「Safie Pocket2」を使った遠隔臨場を説明する動画を撮影したり、営業資料やウェビナー資料に事例を反映させたりすることで、より多くのお客様に対する効果的な営業活動を実現できるようになったのです。このような遠隔臨場に関する一連の取り組みについては非常に強く印象に残っています。
お客様の協力を得ることで活用方法を事例化し、業界全体に横展開できるようになったということですね。渡部さんは、今のご自身の仕事に関して、どのようなやりがい・楽しさを感じられているのでしょうか?
お客様の現場の人たちの業務を変え、生産性向上に貢献できたと感じられた際には大きなやりがいが得られます。導入後のヒアリングなどを通して、担当者様から直接感想をお聞かせいただくことも多いのですが、「セーフィーさんのお陰で現場が変わった」「プロジェクトがうまく行った」「次回もセーフィーさんにお願いしたい」と言っていただけると本当に嬉しいですし、セーフィーに転職して良かったなと思います。
将来的にはプラントエンジニアリング業界の現場を変える仕事にも挑戦したい
前職ではプロジェクトコントロールの仕事を担当され、セーフィーでは営業戦略やマーケティング企画を担当されていますが、セーフィー入社以降に身に付いた知識・スキルなどがあれば教えてください。
私たちのチームは佐渡島さんと話す機会が多いのですが、常々「両利きの経営をしなさい」というアドバイスをいただいています。BU2の営業部門付きの戦略チームなので、どうしても現場・足元・目の前の数字を積み上げることに集中してしまいがちですが、未来を見据えた戦略を立てることも同じくらい重要です。どちらに偏ってもいけないし、現在と未来の双方を大切にすることが「両利きの経営」の意味するところであると考えています。今はグループリーダーという立場なので、足元の数字も大切にしつつ、常に未来を見据えた仕事の進め方を意識しています。このような視座は、間違いなくセーフィーに入ってから身に付いたものですね。
今後、渡部さんがセーフィーで成し遂げたいこと、夢や目標があれば教えてください。
まずは建設現場のさらなる生産性向上に貢献することです。さらに将来的には、映像を活用した意思決定が当たり前のように行われるビジネス/世界観を創っていきたいと考えています。
また直近では、建設系SaaS企業とともに建設DX研究所という組織を設立し、国土交通省や厚生労働省、デジタル庁に対して「遠隔臨場」のあり方やアナログ規制の緩和に関する政策提言を行っています。最先端のテクノロジーを活用しつつ、建設DX推進による業界課題解決に向けた新たなルールメイクをしていきたいと考えています。
セーフィーでの仕事を通して、かつて渡部さんが働いていたプラントエンジニアリング業界の不の解消にも貢献できそうでしょうか?
実際にプラントエンジニアリング業界への提案もスタートしているのですが、彼らの主戦場は海外ですからね。セーフィー自身が海外でビジネスを展開できる会社に成長しなければ、プラントエンジニアリング業界に対するメリットの提供は難しいと思います。
ただし、セーフィーも海外展開を見据えて動いていることは間違いありません。私のこれまでの経験から、弊社の映像サービスが最も価値を提供できる会社の一つとして、前職のような日系の海外現地企業だと思っています。近い将来セーフィーのビジネスを通じて、プラントエンジニアリング業界の現場を変えていくような仕事も実現できると思います。
最後になりますが、セーフィーに興味を持っている方々へのメッセージをお願いします。
セーフィーの7つのカルチャーの一つに「夢を語りまきこみやりきる」という言葉があるように、セーフィーには一緒に夢を実現できる大勢の仲間がいますし、チャレンジできる環境も整っています。夢や熱意はあるものの、それを発揮できるフィールドがないと感じている方は、ぜひセーフィーを検討いただければと思います。
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